流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「ただいまー!」

中に入ると、幸村がバタバタっと出迎えてくれた。

「お帰り幸姫」

靴を脱いで上がるとすぐに、幸村がだっこをしてくれた。

「あ、お帰りなさい、幸姫様」

にっこりと笑う佐助に、幸姫もただいま、と微笑んだ。

「あのねー、ぷりんともらったのー」

そう言って、鞄からプリントを取り出して見せた。

「なにが書いてあるのだ?」

幸村に聞かれて、幸姫は楽しそうに答える。

「うんどうかい!あのね、みんなでおゆうぎするの」

そう言って、幸姫は2人の前で踊り始める。

「ほう、おゆうぎとは舞のことか。幸姫はこんな小さい頃からそんなことができるとは。さすが玲子の娘だな」

うんうん、と頷いていると、佐助がごすっと頭をつついた。

「とか何とか言って、さすが俺の子とかって思ってんでしょーが、どうせ」

言われて幸村はうっと言葉に詰まった。

「まったく…ちゃんとした跡取りをさっさとつくってください」

「それは…」

思わず幸姫の顔をじっと見つめる。

「どうしたの?」

幸姫が踊りをやめて、首を傾げて聞いてくる。

「いや、何でもない」

ニコッと笑う幸村に、ふぅん?と幸姫は首を傾げていた。
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