流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「ただいまぁ」

ガチャリとリビングのドアが開き、玲子が中に入ってくる。

「あ、れいちゃんおかえりなさい!」

パタパタっと玲子のもとへと走っていく。

「…若、ここは我々のいるべき場所ではないのです。御館様も心配しているはずです」

「わかっている。わかっている…」

玲子と幸姫をじっと見つめながら、幸村はぎりっと歯を食いしばった。

「あのねー、うんどうかいのぷりんともらったのー」

「あ、もうそんな季節かぁ」

そう言って、手渡されたプリントを見て、玲子は目を大きく見開いた。

「ちょ…幸姫?これ、今週末って書いてあるんだけど…しかもプログラムじゃない!」

言われて幸姫はきょとんとした。

「このプリントの他には、何か貰ってない?」

聞かれて、うーん、と必死で考えてみる。

「あ!」

慌てて鞄の中を確認してみる。すると、少しくしゃくしゃになったプリントが、1枚入っていた。

「これ…せんせいに、れいちゃんにわたしてねっていわれてた…」

恐る恐るプリントを玲子に差し出した。その内容を見て、玲子は小さくため息をついた。

「幸姫…ちゃんとプリント渡されたら、頂戴ねっていったでしょう?」

「ごめんなさい」

しょんぼりとした顔で、俯いてしまう。


はじめてのおでかけだったから、のぞみせんせいにもらったのわすれてた。


玲子は小さく息をつくと、苦笑いを浮かべながら幸姫の頭を撫でてきた。

「ちゃんと、次からは忘れないようにね?」

「うん。ごめんなさい」

力強くうなづくと、玲子はうん、と頷いた。
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