流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「そうか、お母さんたち、今週末から旅行だっけ…うん、うん…ううん。大丈夫だから」

幸村たちと一緒にテレビを見ていると、玲子が電話をしている姿が見えた。
少し気になってじっと見ていると、電話を終えて、玲子が傍に来て話してくれた。

「おじいちゃんとおばあちゃん、旅行に行くから、今年の運動会には来られないんだって」

そう言って、玲子は少し困ったような顔をしていた。

「実は私も、先週末お休み貰っちゃってるから、どうしても丸一日は開けられないし…どうしよう」

困った、という顔をしていると、幸村がどうかしたのか?と声をかけてきた。

「ううん、ちょっとね」


さすがに、ゆっきーたちに代わりに行ってもらうってわけにはいかないしね。どうしたもんかなぁ…


うーん、と唸っている玲子の姿を見て、幸姫は頭をぽんぽんと撫でた。

「れいちゃん、こうき、ひとりでもへいきだよ?」

「え?でも…」

「だいじょうぶだよ」

にっこりと笑う幸姫に、少し複雑な心境になる。

「ごめんね、幸姫。できるだけ早く行けるようにするから」

ギュッと幸姫を抱きしめる玲子。幸姫はにっこりと笑ったまんまだった。


れいちゃん、いそがしいもん。
しかたがないもん。


そう、自分に言い聞かせた。
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