流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
うーん、と幸村が唸ると、佐助がどうかしたのかと尋ねてきた。

「…佐助、幸姫はどこか浮かぬ顔をしていたと思うのだが」

幸村に言われて、にやりと佐助は悪い笑顔を浮かべた。

「へぇ…若ってば、いつからそんなことが分かるようになったんすか?」

少しだけ頬を赤くしながら、プイっと横を向く。

「うるさい。少し気になっただけだ」

「ま、さすがは親子ってところですかね」

そう言ったとき、ふと、下駄箱の上にお弁当が置いてあるのに気づいた。

「あれ?これって幸姫様の昼餉では…」


幸村は佐助と顔を見合わせるとニヤッと笑い、お弁当を持って家を出て行った。

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