流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「幸姫様、やはり若の娘ですね」

佐助が感嘆の声を漏らした。

運動会というものは、内容はいまいちわからないものの、とにかく勝負事で勝つといいということなのだと、2人は理解していた。

「そうだな。今のところ幸姫が勝っているようだからな」

若干、興奮気味に幸村が答えた。

「しかし…」

佐助がちらりと周りに視線を移す。自分たちの側には、別の子供たちの親や親族たちがいるのだが、なぜか視線あわないよう、パッと背けられる。

(妙に視線を感じますね)

小さな声で佐助が言うと、幸村は小さく頷いた。

時折、ひそひそと囁き合うその光景に、幸村達は少し居心地の悪さを覚えた。

「ゆきむらー!」

「おぉ!幸姫、どうしたんだ?」

どすっと幸姫のタックルを受け止める。にっこりと笑って、幸姫は幸村の手を引っ張っていこうとする。

「こっちこっち!はやくー!」

わけがわからないといった表情を浮かべつつ、幸姫に手をひかれながら、幸村はそのあとについていった。
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