流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「見つけたぞ!」

「こっちだ!」

ガシャガシャっと金属のこすれるような音、数人の駆け寄ってくる足音。
ふっと顔を上げると、そこにはまるで時代劇に出てくるような格好をした人たちが4・5人、幸姫たちを囲むようにして、刀を向けていた。

「わぁ!お侍さんだ!」

生で見た感激で、思わず幸姫が拍手をする。
その様子に、周囲の人間は怪訝そうな顔をし、男性はがははっと笑った。

「さすがは玲子の子じゃな。肝がすわっとる」

ぽんぽん、と頭を撫でると、男性の首に、1本の刀がすぅっと構えられた。

「………!」

幸姫は思わぬ事態に、体が硬直する。
時代劇でよく見るその刀は、人を斬るための道具で、危ないということもわかっていた。

それが、男性の首に当てられている。

血の気がさぁっと引き、真っ青になる。

「どこの手の者かは知らぬが、儂は今取り込み中なんじゃがのう」

そういうと、ちらりと幸姫を見て、男性は優しく微笑んだ。

「童に見せるものでもないし、さて。どうしたものかのう」

ふぅ、と男性はため息をついた。

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