流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
目の前で繰り広げられる光景をただただ呆然と見つめていた。

まるでテレビの世界だった。悪者を、正義の味方がバッタバッタとなぎ倒していく。

「死にたくなくば、早々に立ち去ることじゃ」

まるで、蛇に睨まれた蛙のように、侍たちは散々に逃げていく。

「大丈夫か?」

さっきまでとはうってかわって、あの、優しいおじいちゃんの声だった。


しかし。



そっと手が触れた瞬間、幸姫の体はビクリと揺れる。

目に浮かんだ涙。写し出された表情は、紛れもなく、恐怖と緊張の顔だった。


< 196 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop