流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「…怖かったな」

優しい声。本当に、さっきまで斬りあいをしていたとはとても思えない。

「血が出ておる」

そう言うと、着物の袖をビリッと破り、幸姫の腕に巻き付けた。


…やさしいおじいちゃん。


自分を気づかい、微笑んでくれるその表情には、どこか安心感すら感じた。


だけど。


「…おさむらいさん、しんじゃったの?」

震えながら、小さく呟いた。

「はっはっは!大丈夫、死んではおらんよ」

「…ほんとう!?」

ばっと顔をあげると、ニッコリと笑っているその顔が見えて、幸姫はほっと、安堵した。
< 197 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop