流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
幸姫!


遠くで名前を呼ぶ声がした気がした。立ち止まり、辺りを見回していると、また、聞こえてきた。

「こうきー!」

「…!れいちゃんだ!」

声の主が誰か気づいた幸姫は、だっと走り出した。

「あっ!」

突然走り出した幸姫の手は、繋いでいた幸村の手から離れていった。

瞬間、夜空に一筋の流れ星が流れた。


涙で、もう、何も見えん。


それでも、しっかりと我が子を、この目に、脳に、心に焼き付けておこうと、ぼやけた視界の先を、幸村はじっと見つめていた。

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