流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
駅に到着して、タクシーから降りた。玲子に手を引かれて、幸姫もタクシーから降りた。続いて幸村が降りてくる。

「おおぉ……!!」

見たことのない材質で作られた建物に、周りは見たことのない格好をした人たちで溢れかえっていて、幸村は目を輝かせて周囲を見回しては感嘆の声をあげていた。

「はい」

幸姫は幸村に手を差し出した。幸村もにっこりと笑い、でも、少しばかり照れ臭そうにしながら、幸姫の手を握ってくれた。

「へへっ」

幸姫も嬉しそうに手をギュッと握った。

「お待たせ。それじゃ2人も、行きましょうか」

玲子がにっこり笑って側にくると、幸姫の空いているもう片方の手を握ってきた。

「れいちゃん、今日はどこにいくの?」

そう。実はこれから、どこに向かうのか、幸姫は知らない。今日は一緒にお出かけできるからとテンションが上がりすぎていて、よく考えて見れば、行き先を聞いていない。
首を傾げながら聞いてみると、玲子は嬉しそうに幸姫に微笑みかけた。

「今日はこれから新幹線に乗って、京都に行くの」

「きょーと?」

幸姫がきょとんとする。玲子は笑って答えた。

「行ってみればきっと幸姫も気に入る。とっても綺麗なんだから」

玲子は目をきらきらと輝かせながら、そう答えた。
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