流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
初めての新幹線に初めての遠出。思っていたよりも緊張していたのか、しばらくして、幸姫は眠りについた。

次に目を覚ましたのは、京都の駅に着いたときだった。

「幸姫、着いたよ」

玲子の声に、眠たい目をこすりながら幸姫は周りをきょろきょろと見回してみた。

「ついたの?」

周りにいた人たちも何人か立ち上がって荷物を棚から下ろしている姿が見えた。

「ほら、おいで」

幸村が手を差し伸べてきた。幸姫は少し照れくさそうに笑いながら、幸村の腕に掴まった。

幸村に抱っこされて、玲子と一緒に新幹線を降りる。みたことのない景色が目の前に広がり、幸姫は思わず目を見開いた。

「れいちゃん、ここがきょうと?」

目の前に見える大きなタワーを見つめながら聞くと、玲子はそうだよ、と頷いた。

「ほら、行こ」

玲子の後に、幸村が続いて歩く。


なんか…周りの人たちがみんな見てる…??


近くにいる人たちが、ひそひそと何かを話しているようだった。何を話しているのかはわからなかったが、自分達の方を見て、何かを離しているということだけは、幼い幸姫ひもわかった。

幸姫が首をかしげていると、幸村が不思議そうに顔を覗き込んできた。

「どうした、幸姫」

「ううん…なんでもなーい」

幸姫もよくわからない、といった表情で、首を横にふった。
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