流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
ばたんと扉を閉める音がした。それから、遠ざかる足音。
幸姫は大きく深呼吸をすると、思い切って声をかけてみた。

「かおるちゃん?」

返事はない。部屋の中はしんと静まり返る。

「だれかおるん…?」

すすり泣く声。軽く嗚咽の混じったその声は、同じ幼稚園の馨のものに似ている気がした。

「かおるちゃん?わたしだよ、こうきだよ!」

「……わたし、かおるやないよ」

その言葉に、幸姫は小さくえ?と声を漏らした。

「少し、2人とも静かにしていてくれるかな」

暁のその言葉が聞こえた次の瞬間、ちくりと首筋に痛みが走った。

「な……に………」

ひどい眠気が幸姫を襲う。



ねむ…い……




意識が朦朧として、やがて、深い眠りについた。
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