流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
ふぅ、と暁は息をつくと、2人の頭を軽く撫でた。
柔らかな花の匂いがした。
じっと暁を見つめる2人。

「見つかる前に早くお帰り」

そう言ってふっと微笑むと、暁は奥のドアの鍵を開けて扉をひらいた。

「いこう!」

亜姫はそう言って、幸姫の手を引っ張って走り出した。慌てて後に続く幸姫。

「あっ」

少し後ろを振り返り、幸姫は暁に言った。

「ありがとう、おじちゃん」

2人はそのまま、開かれたドアから走って出ていった。

2人の姿をじっと見つめていた暁。

「おじちゃん…ね」

後ろから声をかけられてびっくりする暁。

「あぁ…お濃様」

振り替えると、さっき声をかけてきた濃の姿があった。

「呼んだのにこないから。私を待たせるなんて、いい度胸ね」

ニヤリと笑う濃の姿は、どこか淫靡な香りが漂っていた。


この方の本性を知らなければ、私も他の男達と同じように狂ったのだろうか。


はぁ、とため息をつきながら濃の側へ行く。

「お待たせするつもりはありませんでしたが…申し訳ございません」

とりあえず、といったふうに、暁は頭をさげる。

「参りましょう。信長様がお待ちなんですよね」

言うと、濃は頷き部屋を出た。暁もその後に続いた。
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