流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「まぁったく…何してるかと思えば」

どこかで聞いたことのある声がした。
そっと目を開け、顔を上げると、お濃は玲子から離れていて、見知らぬ男の人が、玲子を庇う様にしてたっていた。

「さ…すけ……?」

玲子が体をゆっくりと起こしながら驚いたように聞くと、佐助はにっと笑って首を振った。

「どうも織田の動きが妙だと思って後をつけてきてみりゃわけのわかんねーところに出てきちまうし、おまけにうちの若様をなぜかこんなところで発見するし」

はぁ、とため息をつきながら佐助は続けた。

「とにかく、お館様にたっぷりと絞られること、覚悟しといてくださいよ!」

楽しそうに笑ってそう言うと、佐助はすばやくお濃に切りかかった。

「幸姫!」

玲子が信長に抱えられていた幸姫をぐいっと奪い返す。

「ふむ…これはこれは」

楽しそうにくいっと唇をつりあげる信長。その様子を見て、玲子の幸姫を抱いていた手に力が入った。

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