H・O・L・D UP!
≪H・O・L・D UP!≫
「着いたぞ。目隠しを取って、降りろ」
1時間程、車を走らせてから停車すると、リーダー格の男──中川さん──は真輝に言った。
真輝、素直に目隠しを取り、車の中から外を見る。
何処かの廃倉庫にでも連れて行かれるのかと思っていたが、そこは回りには木々しか見えない1軒のログハウス風の別荘らしい建物だった。
「随分、洒落た隠れ家だこと」
「言っとくが、ここは近くに民家は無いから、大声出しても誰も助けに来ないからな」
真輝の呟きに、中川さんはそう言って車を降りた。
真輝はちょっとの間、車を降りずに外を見回していたが、『コンコン』と窓をノックされてやっと車を降りた。