リラ冷えの頃に
庭で咲き誇るライラックを見た時には、私の髪と瞳の色と同で吃驚した。

雨の多い時期だった。

少し肌寒いその日。

目覚めた私は、リラではなくなっていた。

毎日セーラー服を身に纏い、友人たちと学校へ行く。

勉強をして、カラオケに行って、ブラブラと街を歩く。

違和感なんてこれっぽっちも感じないけど、なんだか不思議な気分。

雨季が終わったと思うと、太陽が近くに感じる暑い季節、

涼しくなったと思えば、今度はあっと言う間に寒い季節がやってきた。

白いふわふわの雪と、肌を刺すほどに冷たい風。



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