月の雫 -君と歩む彼方への道-
第一章 いけすかない新入り
1.新入りは銀階級
ふあぁぁぁ。
オレは何度目かのあくびを何とかかみ殺した。
「……魔力を練るには、日々の鍛錬と厳しい禁欲が必要である。
何かに心を奪われるだけでも、精神集中が欠けて、修練がおろそかになることを……」
じいさんの長口上はまだ続いてる。
いっつもいっつも同じようなことを言ってるから、ついつい眠くなるんだ。
オレは隣のルカに小声で話しかけた。
「禁欲ってったってなぁ、女ひとりもいないのにどうしろってんだよな」
そう、ここには残念ながら女は一人もいない。
男ばっかりの世界だ。
魔道士は普通、男しかならないからな。
女の魔道士なんて、聞いたことがない。
オレは何度目かのあくびを何とかかみ殺した。
「……魔力を練るには、日々の鍛錬と厳しい禁欲が必要である。
何かに心を奪われるだけでも、精神集中が欠けて、修練がおろそかになることを……」
じいさんの長口上はまだ続いてる。
いっつもいっつも同じようなことを言ってるから、ついつい眠くなるんだ。
オレは隣のルカに小声で話しかけた。
「禁欲ってったってなぁ、女ひとりもいないのにどうしろってんだよな」
そう、ここには残念ながら女は一人もいない。
男ばっかりの世界だ。
魔道士は普通、男しかならないからな。
女の魔道士なんて、聞いたことがない。
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