月の雫 -君と歩む彼方への道-
その壁の内側にはシルヴァイラしかいない。

壁の周りに沿って、きれいに研修生たちが座ってる。



これがもしかして、あいつが使ってる魔道か?



すごい。

オレ、シルヴァイラの魔道が見えたぞ。



「ちょっと行ってくる」

「ああ」



オレはシルヴァイラのところへすたすた早足で歩いていくと、ぼぅっと光る薄い壁を見上げた。

まるで、”危険!ここより先は立ち入り禁止!”とでも書いてあるかのような、立ち入りがたい雰囲気。


オレは怖じ気づく心をえいっとばかりに振り払うと、引き戸よろしく壁をがらがらっと手でこじ開けた。
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