月の雫 -君と歩む彼方への道-
(ああ、そうだ。

それだ、引っかかったのは)



「そ、そうだな……」


オレは恥ずかしさに顔を赤らめながら答えてた。



でも、普通階級が上がるとうれしくないか?

階級が上がってうれしくないことなんて、あるんだろうか。



オレの思いをよそに、シルヴァイラは細々と話し続けてた。


「現象と、それによって心が感じることをきっちり分けて考えるといい。

心を切り離すんだ。


それができれば、たとえば”暑い”と感じる心の制御くらいの精神魔法は使えるようになる……と思う。

おまえほどの魔力があればな」



――おまえほどの魔力だって?

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