月の雫 -君と歩む彼方への道-
「……だったら何だ」
かすれた、細い声。
――シルヴァイラだ。
(……?)
そっと首を上げて声の方を見てみると。
フードが少し上に持ち上がって銀の髪がこぼれ、誰かを見上げているようなのが見えた。
視線の先には……
レイジュラの黒い謎めいた瞳。
(なんだ、あの二人、こんなところで)
オレはとっさに気配を消した。
気配を消すことだけは、得意中の得意なんだ。
これだけは、多分研修生一だと思う。
オレが本気で気配を消せば、じいさん以外は誰も気づかない。
かすれた、細い声。
――シルヴァイラだ。
(……?)
そっと首を上げて声の方を見てみると。
フードが少し上に持ち上がって銀の髪がこぼれ、誰かを見上げているようなのが見えた。
視線の先には……
レイジュラの黒い謎めいた瞳。
(なんだ、あの二人、こんなところで)
オレはとっさに気配を消した。
気配を消すことだけは、得意中の得意なんだ。
これだけは、多分研修生一だと思う。
オレが本気で気配を消せば、じいさん以外は誰も気づかない。