月の雫 -君と歩む彼方への道-
「おまえ……いったい、何のつもりだ」


かすれた、低い声。


「わたしは最初から、おまえに大いに興味があった。

魔道士としても、女としても、な。

興味深い存在だと思っている。


ここを出たら、わたしの妻にしてあげよう」


レイジュラの頬に浮かぶのは、どこか意地悪そうなゆがんだ笑み。




(……妻、だって?)




オレは、気配を消しながらも、あっけに取られて聞いていた。



だって。


あの、いつも穏やかで落ち着いた”超”の付く優等生のレイジュラに、こんな側面があるなんて、信じられる?
< 131 / 288 >

この作品をシェア

pagetop