月の雫 -君と歩む彼方への道-
「悪霊払いだといって、ぼくはある日、無理矢理砂に埋められたんだ。
首から上だけ地面に出して、体はすっぽり地面の下に。
友達も、埋められたぼくに近寄ろうとしては――親に”近づくな”って止められてた」
「……ひどいな」
シルヴァイラは、まるでひとごとのように無表情で語り続けた。
「あとから考えると、おそらくそれはせいぜい数日間だけのことだったんだと思う。
たとえばぼくの身を清めようとしたとか――
単にそういうことだったんだろうけど……
そのときのぼくは、てっきり殺されるんだと思った。
だから――村の人たちみんなを深く恨んだ。
ぼくを埋めた人たちも、それを止めずに見ていた人たちも、みんな」
「……」
「そしたら……」
シルヴァイラは言葉に詰まった。
妖精めいた美しい顔が悲しみに引きゆがむ。
首から上だけ地面に出して、体はすっぽり地面の下に。
友達も、埋められたぼくに近寄ろうとしては――親に”近づくな”って止められてた」
「……ひどいな」
シルヴァイラは、まるでひとごとのように無表情で語り続けた。
「あとから考えると、おそらくそれはせいぜい数日間だけのことだったんだと思う。
たとえばぼくの身を清めようとしたとか――
単にそういうことだったんだろうけど……
そのときのぼくは、てっきり殺されるんだと思った。
だから――村の人たちみんなを深く恨んだ。
ぼくを埋めた人たちも、それを止めずに見ていた人たちも、みんな」
「……」
「そしたら……」
シルヴァイラは言葉に詰まった。
妖精めいた美しい顔が悲しみに引きゆがむ。