月の雫 -君と歩む彼方への道-
「……村が、全滅したのか?」

「……」



月の光が、その青白い頬を静かに照らすなか。

シルヴァイラの目から、宝石のような透明な雫がきらきらとしたたり落ちた。



シルヴァイラのわずかに開いた薄い唇から、苦しげなしゃがれ声が絞り出される。


「ぼくは大勢の人をこの力であっさり殺してしまった。

一瞬で、みんなの人生を奪ってしまったんだ。

――この手で。


みんな知り合いだった。

その中には小さな子どもだっていた。

赤ちゃんだっていた。

友達だってたくさんいた」


「シルヴァイラ……」
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