月の雫 -君と歩む彼方への道-
「オレはシレンだ。

こっこれからおまえとペアだ。

……よろしく」


オレは緊張しながら、ベッドに浅く腰掛けてうつむいているそいつに片手を差し出した。


深々とかぶったフードで隠されて、顔すら見えない。


おい、挨拶してるんだぞ。

顔くらい見せろ。

つか、こっち見ろ。



フードの奥から返ってきたのは、冷たいいらえだった。


「……ぼくに構うな」


少しかすれた、小さく細い声。


「……」


何だコイツ。
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