月の雫 -君と歩む彼方への道-
「もう一度、みんなに会いたいんだ。


みんなに謝りたいんだ……


そして、みんなに、大好きだって、伝えたいんだ……



じゃないとぼくは……」



「シル……」



オレは思わず、シルヴァイラの震える細い肩をぎゅっと抱きしめ……


抜けるように白く血の気のない、涙にぬれた頬にそっと手を当てて、ぴったりと唇を重ねていた。





冷たい態度とはうらはらに、シルの唇はほんのりあたたかかった。
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