月の雫 -君と歩む彼方への道-
「そりゃオレだって、構いたくて構ってるんじゃない」


ちょっぴりすねつつ、オレは続けた。


「ここのことをどこまで知ってるのか知らないけど、同室ってことはペアなんだ。

一緒にやらなくちゃいけないことはこれから山ほどある」

「……」

「だから、あんたに関わらないわけにはいかないんだよ」


なんでこんな説得から始めなきゃいけないんだ。


じいさんも、頼むから、ここのやり方くらいちゃんと話しておいてくれよ……。



オレは内心悪態を吐きながら、必死で下げられたフードに向かって話し続けた。

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