月の雫 -君と歩む彼方への道-
しかし、言われてみれば、シルヴァイラの記憶を体験したとき、確かにオレはオレじゃなくてシルヴァイラとぴったりと同化していたような気がする。

そのとき、シルヴァイラは他人ではなくて、間違いなく”オレ自身”だった。



(まず、言われたとおり、自分が魔道で作った心の壁をいったん取ってみよう)


オレは魔道で作った心の壁を外してみた。


ふっと、心が広がるような感覚。


(ふぅ)


窮屈な服を脱いだような感じだ。



すると――






そこに、ぼんやりと、もうひとつ壁が見えるじゃないか。



(ん?)



何かの魔道か?とも思ったけど、どうやら違うようだ。
< 193 / 288 >

この作品をシェア

pagetop