月の雫 -君と歩む彼方への道-
その姿をニヤニヤしながら見ていると。


シルが不意にきょろきょろ周りを見回しだした。

どこか不安げだ。


(……?)


(シレン、何だか様子が変だ)

(……どうした?)


(……戦闘エリアのシールドが……)



――え?



(シレン、今すぐシールドを張るんだ!)


あわてたような、鋭いシルの声。


(ちょ、ちょっと待てよ、何だよ……)


「――!」


おい、マジかよ。


オレはやっと気付いた。



どういうわけか、戦闘エリアを区切っているはずのシールドが、いつのまにか消え失せている!
< 210 / 288 >

この作品をシェア

pagetop