月の雫 -君と歩む彼方への道-
(おい、シルヴィ、怪物に惚れられてんじゃねぇよ)

(……)



トカゲ野郎はすでにオレの上空に達していて、ぐるぐる旋回しながらオレめがけてがんがん火を噴いてくる。


「強力だな。ルカ、シールドは持つか?」

「何とか大丈夫そうだ」


ルカの冷静な声がした。


「シレン、あいつの弱点は目だ。

皮膚は見た目よりずっと厚いから、そう簡単に致命傷は与えられない。


目から脳天をナナメに貫け。

頭の真ん中あたりの、目と目の間くらいのところを突けば、飛べなくなる」


ルカは相手の特性や弱点を見極めるのが得意だ。


こういうヤツがいるといないでは大違い。

実はかなり使えるヤツなんだ。



ルカの冷静な声は続く。


「特殊な攻撃は炎を噴くくらいだけど、特殊魔法に対する防御力は強そうだ。

物理的な攻撃でやっつけるのがよさそうだ」


「わかった」
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