月の雫 -君と歩む彼方への道-
(いびきを止める方法なんて、あるのかな)
オレはベッドの端に腰掛けて、研修のグチを言い出すルカの陽気なそばかす顔を見ながら、いびきのことばかり考えていた。
……そしたら。
ふと、脳内に鮮明な映像が浮かんだ。
(ん?)
質素なベッドに上体を起こす母親を囲む、数人の幼い子どもたち。
それを、どこか冷めた目で上から見つめていた。
(何だ?これ……)
「ルカ、おまえ……」
「あん?」
「お母さん、何かあったのか?」
「……!?」
ルカの笑顔が、ふと固まった。
「……病気なんだな?
――治らないのか?」
オレはベッドの端に腰掛けて、研修のグチを言い出すルカの陽気なそばかす顔を見ながら、いびきのことばかり考えていた。
……そしたら。
ふと、脳内に鮮明な映像が浮かんだ。
(ん?)
質素なベッドに上体を起こす母親を囲む、数人の幼い子どもたち。
それを、どこか冷めた目で上から見つめていた。
(何だ?これ……)
「ルカ、おまえ……」
「あん?」
「お母さん、何かあったのか?」
「……!?」
ルカの笑顔が、ふと固まった。
「……病気なんだな?
――治らないのか?」