月の雫 -君と歩む彼方への道-
すると。


じっと見つめた窓の中に、月の光にきらめく銀の波打つ髪が見えた気がした。


そして、不意にバタンと音を立てて窓が開き。



シルは飛んだ。



オレの広げた腕に向かって。




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ふわり。



銀の髪をまるで天使の羽のように広げて。

オレの腕の中へゆっくりと舞い降りてきたシルを、オレは思わずぎゅっと抱きしめていた。


久しぶりに腕に抱く、この折れそうに細い体。

月の光を受けて銀色の波打つ髪がきらめく、まるで妖精のような姿。
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