月の雫 -君と歩む彼方への道-
「……おい」
耳元であきれた声がした。
「いつまでこうしてる気だ。離せよ」
「すまん」
顔を赤らめながら、かがんでシルヴァイラをそっと地面に降ろしていると。
シルヴァイラが飛んだ同じ窓から、もう一つの影がひらりと飛んだ。
(!?)
その影は軽やかに舞い、地面に降り立たずに、少し高いところでふっと止まる。
――レイジュラだ。
「面白い」
空中にとどまったまま、黒い髪を風になびかせて。
レイジュラはその美しい顔をゆがませて、くっくっとくぐもった笑い声をたてた。
「シレン。
その女が欲しければ、わたしと戦え」
耳元であきれた声がした。
「いつまでこうしてる気だ。離せよ」
「すまん」
顔を赤らめながら、かがんでシルヴァイラをそっと地面に降ろしていると。
シルヴァイラが飛んだ同じ窓から、もう一つの影がひらりと飛んだ。
(!?)
その影は軽やかに舞い、地面に降り立たずに、少し高いところでふっと止まる。
――レイジュラだ。
「面白い」
空中にとどまったまま、黒い髪を風になびかせて。
レイジュラはその美しい顔をゆがませて、くっくっとくぐもった笑い声をたてた。
「シレン。
その女が欲しければ、わたしと戦え」