月の雫 -君と歩む彼方への道-
「イテテテ」


防ぎきれずにいくつかモロに食らいながらも、オレは必死で続けた。


「レイジュラが優秀であることを親御さんが望んでるのは、レイジュラのためじゃなくて、自分たちのためだ。

自分たちの満足のためなんだよ。


親御さん自体も、周りから評価されたいんだ。



親御さんは自分たちが完璧主義すぎて、自分も息子も完璧じゃないことに耐えられないんだ。

だから、失敗したらひどく責め、成功のみ評価するんだよ。



レイジュラがどんな人間かなんて、わかっちゃいないし、わかろうともしない。


自分たちの息子”そのもの”を、見ちゃいないんだ」


「……」
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