月の雫 -君と歩む彼方への道-
レイジュラの目は、いまや燃えさかる炎のようにらんらんと輝いて、にらまれたオレまで燃えてしまいそうな勢いだった。


オレはレイジュラの繰り出した氷の刃を必死で避けながら、まだ声の限り叫んでた。



「そんな親たちの思惑に振り回されてないで、何とか自分の人生を見つけてくれ。

あんたはそれだけ優秀なんだから。


レイジュラの親御さんが、不完全さを認めてくれることなんて、ないんだよ。

理想の親を求めるのはやめるんだ。

それだけでも、きっと楽になる。


自分を大事にしてくれ。

自分を愛せるようになってくれ。


――オレにはレイジュラの苦しみが理解できるし、あんたの行動も理解できる。


あんたは親にがんじがらめに縛られたままなんだよ。

そこを乗り越えれば、きっとあんたは新しい自分を見いだせる。



あんたが親に見せていたような顔を、周りのみんなに見せ続けるのはやめるんだ。

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