月の雫 -君と歩む彼方への道-
その腕が、無意識に、ゆっくりと降ろされる。




(レイジュラ……?)




レイジュラの唇がゆっくり開き――


何か言いたげに動きかけた。







そのとき。



「そこまでだ」


どっしりとしたしゃがれ声があたりにとどろいた。




じいさんだった。
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