月の雫 -君と歩む彼方への道-
そういうことをさらっと言うレイジュラは、やっぱりオレにはまぶしすぎるくらいの、輝かしい優等生だった。

才能があるって、こういうことだよな。



(……すごいな)


オレは口をぽかんと開けたままだった。



さすがレイジュラだ。

いろんなカードを持ってる。




呆然としながらも、オレは隣に立っていたシルヴァイラの体が震えだすのに気付いてた。


(……?)



「どうした?シル」


「……怖いんだ」


シルヴァイラの天使のような繊細な顔には、いまやおそろしい恐怖がはりついていた。


「村のみんなは、ぼくをきっと恨んでる」

「……シル」

「ぼくに死んでつぐなえって、きっとそう言うに違いない」

「……」

「だって、だって、ぼくは……」
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