月の雫 -君と歩む彼方への道-
3.やっかいなヤツ
じいさんの言ってた”個別研修”でもしているらしく。
シルヴァイラはそれから何日かは日中ほとんど部屋にいなかった。
朝起きるともういないし、夜遅く部屋に帰ってきては、すぐベッドにもぐりこんで寝てしまう。
オレと積極的に関わりあう気は相変わらずゼロらしい。
実を言うと、オレの方も正直ごめんだった。
ニセの記憶は「ニセ」だとわかったけど。
その生々しい感触はまだオレの中から消えていなかった。
――父が母を殺した。
噴水のように胸から勢いよく飛び出す真っ赤な鮮血。
シルヴァイラはそれから何日かは日中ほとんど部屋にいなかった。
朝起きるともういないし、夜遅く部屋に帰ってきては、すぐベッドにもぐりこんで寝てしまう。
オレと積極的に関わりあう気は相変わらずゼロらしい。
実を言うと、オレの方も正直ごめんだった。
ニセの記憶は「ニセ」だとわかったけど。
その生々しい感触はまだオレの中から消えていなかった。
――父が母を殺した。
噴水のように胸から勢いよく飛び出す真っ赤な鮮血。