月の雫 -君と歩む彼方への道-
「おまえはとてもやさしい子だと、わしは知ってる。

おまえになら、心を開くかもしれないと、そんなこともちょっぴり考えてはいる」


「……」



あいつが、人に心を開くだって?


そんなの、1000年経っても無理じゃないかな。



オレは、なんだかうまくじいさんに丸め込まれたような気がして、納得いかないまま部屋に戻った。




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「ぼくのことはいいから、行けよ」


相変わらず冷たい物言いで、シルヴァイラは言い放った。

強がってるようにも聞こえるし、本当にオレがうっとうしいようにも聞こえる。
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