月の雫 -君と歩む彼方への道-
ちらりとじいさんを見ると、目を丸くして口が半開きになっていた。

(ふふふ)

一瞬だけ、痛快な気分になるオレ。



しかし――何だ、今の?




シルヴァイラは、ふん、と美しい顔にそぐわないゆがんだ笑みを浮かべると。

フードを再び深く頭にかぶり、怪物にくるりと背を向けて歩き出した。



――もう終わりか?




何だこれ。



戦闘研修で、魔物がこんなにあっさり死ぬの、見たことないぞ。

それぞれのレベルに合わせて強くしてあるのに。
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