月の雫 -君と歩む彼方への道-
(あの子は未知数だ)


じいさんの言葉が脳裏にひびく。


――長老さえ、こいつのレベルはわからないのか?




オレは歩き出すシルヴァイラに何とか追いついた。


「おい、今何やったんだよ」

「……」


シルヴァイラは面倒そうにオレを横目で見た。

細い眉を少し寄せる。


わずかに開く唇から暗いかすれ声が飛び出した。


「あの怪物に、”死”のイメージを与えた。

そしたら死んだ」


何だって?
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