月の雫 -君と歩む彼方への道-
「よよ4回目だって?」

「大きな声を出すな。うるさい。

夜中うなされるたびに勝手に部屋に入ってきてさ。

そのたびに女か女かって、何度やれば気が済むんだ。

手間のかかるヤツだ」

「……」


うなされて部屋に入ったときだって?


そういや、夜中うなされてるシルヴァイラを起こした後って、どうしたっけ?


――思い出せない。


「おまえは過去の感傷にしがみつくタイプだからな。

おまえの記憶を引っぺがすのはひと苦労なんだ」

「………」


あ!


オレは突然気づいた。
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