月の雫 -君と歩む彼方への道-
あのとき廊下で会ったレイジュラの言ってたこと。


(何かぽっかり穴が開いてるように感じる)


これって、このことだったのか!


記憶を消されて穴が開いてたんだな。





オレをにらみつけるシルヴァイラの傷だらけの白い背中を見ながら。

オレは顔がいつの間にか赤らんでるのがわかった。


こいつ……


女だって?



しかも、こんな、見たこともないような、妖精めいた美しい――




(いけない、いけない。

魔道士見習いは禁欲が原則なんだから)

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