月の雫 -君と歩む彼方への道-
「使ってたら何だ?」

「……やっぱりそうか」


オレはうなずいた。


こいつが魔道を使ってることが読めて、オレはなんだかうれしかった。


「何がおかしい?」

「……別に」


シルヴァイラは、バカにしたような目つきでオレをしばらく見てたけど、また窓枠にひじをついた。


「外に何かあるのか?」

「……」


返事はない。


まぁ期待してないけど。



(にしても、何見てるんだ)


オレは窓に近づいて、シルヴァイラに並んで外を見た。
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