月の雫 -君と歩む彼方への道-
と、ハァ、と小さなため息をつくと、すねたように言う。


「もともとできたんだ。

やり方なんて、わからない。

おまえだって、声の出し方とか、説明できないだろ」


「……天才だな、おまえ」


天性のセンスってやつか。

じいさんが執着するのも無理もないかもしれないな。



オレはちょっと考えた。


「戦闘研修のとき、”死のイメージを与えた”って言ってたな」

「……?」

「あんな感じで、”術のイメージ”なんかを与えられたりはできないかな?」

「……ああ」
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