月の雫 -君と歩む彼方への道-
シルヴァイラは、どこかうわの空で空を見つめていたが、やがてぽつぽつと言った。


「”死”のイメージは明確なんだ。

だれもが最初からちゃんと持ってる。

あんな作りものの怪物すら、自らの”死”のイメージはちゃんと持ってた。


それに、ちゃんと言語化できるしな。

それが重要なんだ。


心をブロックする方法は、うまく言葉にできない」


「……なるほど」


何となくわかる気がする。


やっぱり難しいか。



オレが眉をひそめて考え込んでいたら、ふとシルヴァイラのかすれ声がした。
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