月の雫 -君と歩む彼方への道-
「でも、やってみる価値はあるな」

「え?」

「おまえが自分で心をブロックできるなら、ぼくも楽だからな。

心をブロックする方法は結構単純で簡単なんだ。

ちょっと額を貸せ」

「額?」

「ここに座って」


言われたとおりに、シルヴァイラのとなりに腰掛けると。


シルヴァイラはフードを後ろにさっと跳ね上げて、オレの頬をその細い両手で挟んだ。

そして、その白いすべすべした額をオレの額にぴったりとつけた。



(うわ、何だこれ)


こいつ、一応女なんだぞ……

女と額を寄せ合うなんて、オレはついぞ……
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