月の雫 -君と歩む彼方への道-
シルヴァイラの額と合わさった部分がちりちりと焦げるような感覚があって。

やがて、じわじわと、何かがオレに流れ込んでくるのを感じた。

噴火した火山から流れ出る溶岩のように、ゆっくりと、確実に。


それが何かは、よくわからない。

しかしそれは、明らかにシルヴァイラの流し込んだ”何か”だった。



どれくらいそうしていただろう。

そのうち、その何かが色づきだして、内なる視界全体をその色が支配した。


(何だこれ)



すると――



もやもやしていたものが、ふと、かちっと像を結んだ。



(あ)



(ああ)
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