☆たったひとりのスーパースター☆
「そうちゃんはエリにとって初めての人なの」

どうやら彼女は、自分から人を好きになったり、
自分から誰かに告白したりしたことがなかったらしい。

「泊まりに行った夜ね、
明け方、そうちゃんちに女の人が来たの」

私は具体的な話とか何にもしてないのに、
エリは酔っ払っているのか、いつになく饒舌。

「修羅場だよね、エリびっくりしたけど、
なーんもしてないのにその人信じてくれないし、
けっこう取り乱しちゃってて」

「えー」と人事のように驚いて聞いてるけど、
心中穏やかではまるでない。
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