叶恋~カナコイ~



あれから数日、私たちは毎日のように第3教室で、内緒の勉強会を開いていた。









「もうそろそろ、夏休みだね」






「うんっ。…でもその前に夏合宿があるよね」








「…あぁ、たしかにあったね」








私の学校では、夏休みの前に"勉強を集中的にしよう"という2泊3日の夏合宿が今年から始まった。








恐らく、キャンプ場みたいな場所で、同学年のみんなが勉強をしながら過ごす…という企画なのだろう。











私はイベント事が大好きだった。








何故なら、橘くんと近付けるチャンスだと思っているから。










だけど今までの行事でも近付けた試しがない。






だから、今度こそ…
高校生活最後の年だから


頑張れる気がするの。













「桜井…?何か考え事?」








あの日から…
一度も橘くんに触れられてないし、もちろん触れてない。









橘くんは、やっぱり私なんか眼中にもない女なのかな…。












橘くん…











触れたいよぉ…









< 18 / 22 >

この作品をシェア

pagetop