天使のような微笑で
第一小節目
「お疲れ様でーす」

 大きな白いテーブル。
 その周りにスチール製の椅子がぐるりと並べられている。

 他に何も無い部屋。

 そんな部屋から最後の一人が出て行く。

 俺はドアが閉まると大きなため息を吐いた。

 右手に持っていたボールペンをテーブルの上に転がす。
 天井をじっとみつめ、またため息。

「このままでは・・・」

 目頭が熱くなる。

 最近疲れているのかな。

 涙もろい。
 
 将来への不安。
 年を重ねる度に考えさせられる。

 このまま芽が伸びなかったら。
 ずっとずっとこのままで。

 いつか諦めなくちゃいけないのかな・・・。

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